2014年05月14日

蛙の名句 <小林一茶>




少し前に、蛙の登場する和歌をご紹介しました。
 → 蛙の歌が… <万葉集> 
   蛙の歌が… <古今集・新古今集> 



そういえば、小林一茶の有名な俳句に

■痩蛙(やせがへる)まけるな一茶是(これ)に有(あり)

というのがあったなあ…… などと思い……

確か、小林一茶の句には蛙をネタにしたのが、いくつかあったよな〜
とか思って、探してみたところ……

あるわ、あるわ。 

どれもユニークでなかなかの名句なものですので、
今回は「小林一茶の蛙の句」をご紹介していきたいと思います。




■青梅に手をかけて寝る蛙(かはづ)

いきなり、情景が目に浮かぶような、かわいい句ですね。
お気づきのように、一茶の句には、
かえる」と詠む句と
かはづ」と詠む句があります。

さてさて、使い分けているのでしょうか?


■蛙(かはづ)鳴き鶏(とり)なき東しらみけり


詞書に「未明に出立して、途中吟」とあります。

蛙やニワトリの鳴く声がする、夜明けの風景

二つの声夜明けの明るさ……
だけではなく、冷たく引き締まった空気さえも感じるような気がします。



■卯の花や水の明りになく蛙(かはづ)


■片ヒザは月夜也けり夕蛙(ゆふかはづ)



■艸蔭(くさかげ)にぶつくさぬかす蛙(かはづ)

■菜の花にかこち顔なる蛙(かはづ)


この2句は、たぶん同時に詠まれたのではないかと思います。

ぶつくさぬか」して「かこち顔なる」蛙さん、
とても人間ぽくて面白いですよね。 



■うの花や蛙(かはづ)葬る明り先


■花びらに舌打したる蛙(かはづ)


これもまたさっきの蛙と似ている気がしませんか?

ぶつくさ抜かして、かこち顔して、舌打ちまでしちゃうんです。 



■象潟(さきがた)や桜を浴(あび)てなく蛙(かはづ)


この歌の2句目が「桜をたべて」となっているバージョンもあるようです。

象潟は秋田県にあり、松島と並んで称された名勝です。
九十九島で有名だったのですが、
1804年の大地震で陸地化してしまったのだとか……

西行桜でも有名だったそうです。

この句が詠まれたのは文化8年(1811年)ですから、
もう大地震の後のはずですね。

芭蕉が『おくのほそ道』で訪れ
松島は笑ふが如く、象潟は憾(うら)むが如し」と記した風景……
それを受けて、一茶が1789年に二十代で
象潟もけふは恨まず花の春」と詠んだ風景とは、
随分印象が違っていたはずですね。



小林一茶の蛙の句、まだまだいっぱいありますが、
今回はこれまで。

また次回以降も続けていきますね!        (→UPしました!A B

以前に書きました「小林一茶の生涯と名句」
よかったら見てみてください。 
小林一茶、その生涯と名句@
小林一茶、その生涯と名句A
小林一茶、その生涯と名句B
小林一茶、その生涯と名句C
小林一茶、その生涯と名句D



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posted by 慈文字心 at 17:19| Comment(0) | 古文(日本) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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