2013年09月17日

初めて読む古文(?)『今昔物語集』E

過去5回にわたって紹介してきました『今昔物語集』 →過去の記事は(@ABCD

今回は、本朝(日本)世俗の部のなかで、気になるお話などを
巻ごとにご紹介していきます。



「巻ごと」というのは、『今昔物語集』は漠然と物語を集めているのではなくて、
巻ごとに似たような傾向があるお話を集めているからです。


さて、「世俗の部」最初の巻二十一は欠巻となっています。
但し、次の巻二十二が「藤原摂関家」の話になっていますので、
巻二十一は「歴代の帝や皇妃」の物語だったのではないかと考えられています。


というわけで、巻二十二は「藤原摂関家」の話です。
中臣鎌足から藤原時平までの8話です。
第一「大織冠、始めて藤原の姓を賜りし語」に記されている
大化の改新の遠因になっているのが「蹴鞠」だった、とかの話は面白いかもですね。


巻二十三は、武士や力自慢の人の話が出てきます。
第十八「尾張国の女、細疊を取り返し語」をはじめ、
力持ちの女性が3人も出てくるのは、面白いですね。


巻二十四はさまざまな技術を持っていたり、芸術にすぐれた才能を持っていたり
といった人を紹介しています。 この巻、面白いです!

第二「高陽親王、人形を造りて田の中に立てたる語」
ナイス!アイデア!のすぐれた技術を持った人が登場!
平安遷都を行った桓武天皇の皇子だそうです。

第五「百済川成と飛騨の工と挑みし語」
信じられない技術を持った建築家と絵師との対決物語!

第八「女、医師の家に行き、瘡をなほして逃げし語」
名医のところを突然訪れた謎の美女。
股の雪のやうに白きに少し面腫れたり。」などという診察シーンも
ちょっとエッチな感じです。

第九「蛇にとつげる女を医師のなほせる語」
ほとんど魔術のような治療法で、蛇に犯された女性を助けるという
とても不思議な感じの物語です。

第十六「安倍晴明、忠行に随ひて道を習ひし語」
人気ある安倍晴明が登場! 次の第十七も安倍晴明の話なのですが、
残念ながら、欠話となっています。


第十五〜二十の、陰陽師の話は、平安時代っぽくて、面白いです

第二十二「俊平の入道の弟、算の術を習ひし語」
「算の術」を習うために唐人をだました男は、その罰で、呆けたようになってしまう。
その男を「庚申(こうしん)」の夜、たくさんの女房が笑いものにするのであるが……
最後の庚申の夜の出来事は、なかなか緊迫感あって良いです!

この後、和歌の名人の話がちょっと多すぎかな、という気もします。
しかも『伊勢物語』とか『土佐日記』とかで聞いたことのある話も多いです。


巻二十五は、武士の話です。
平将門藤原純友から源義家まで登場します。


巻二十六は、「宿報」と副題がついているのですが、これも面白い話が多いです。
因果応報というか、前世からの因縁、といった話ですね。

第二「東の方に行く者、蕪をとつぎて子を生みし語」
旅の途中、蕪に穴をあけて、自慰行為にふける男(!)
ことが果てて、ぽいっと捨てた、その蕪の実を、
美しい少女が見つけてしまったところ……

第二十「東の小女、犬と食ひ合ひて互に死にし語」
タイトル通りの話のですが…、 いったい前世で何があったのでしょう…
と思ってしまうようなお話です。

第二十一「修行者、人の家に行き女主を祓ひて死にし語」
貴い(?)僧が人妻を山に誘い出し、有難い(?)祭を行うのだが、
やがて僧は「愛欲の心」を起こして「萬(よろず)の事」を忘れてしまう……。


巻二十七は「霊鬼」と副題がついておりまして、
その名の通り怪異譚が集められております。

第三「桃園の柱の穴より児の手をさしいだして人を招きし語」
とても短くて、淡々とした記述なのが、逆にちょっと怖いです…。

第二十四「人妻、死にて後に、本の形となりて舊夫に会いし語」
まさに怪談なのですが…… 映画『ゴースト』のような味わいもあり…

第三十三「西の京の人、応天門の上に光る物を見し語」
「応天門の上に光る物」って、これ、実はUFOの目撃談なのでは?


……すっかり長くなってしまいました……

まだ巻二十八〜三十一も残っています…
が、この中にも面白い話が満載で……

ちょっと語りきれそうもないので… すいませんが、後半は次回に…  (→続きはこちら

なかなか完結しなくて申し訳ないです……。

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posted by 慈文字心 at 18:04| Comment(0) | 古文(日本) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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